寝具製作事例No.146『羽毛ふとんの代替品は良いのか?』
2020年1月24日 / えびすやにあるもの, 寝具制作事例, 羽毛製品
汗っかきな男性を意識してえびすやオリジナルで
お作りしている羽毛ふとんです。僕が想定している
様なお客様からのご注文です。
羽毛ふとんの側生地というのは噴き出しにくい様に
目詰め加工が施されています。しかし、何度も洗濯を
繰り返して行くと段々と加工が解れていきチョロチョロと
噴き出てきます。
この羽毛ふとんの生地はウオッシャブル対応の生地を
使っています。一般的なポリエステルの側地ではなく
綿100%のちょっと特殊な生地です。かと言って
蒸れる様な生地ではなく洗う時にスーッと水が
染み込むような生地です。流石にこの本掛ふとんは
ご自宅で洗うのは難しい(プロに洗って貰ってください)です
が肌掛けふとんであればご洗濯ネットを
用いて頂ければ可能です。
この噴き出しというのは実は羽毛の品質レベルが
ある高さまでくるとそこまで問題になりません。
ちなみにこの羽毛ふとんは
マザーグースを使っています。かなり大粒です。
しっかりとした飼育期間があり丈夫で大きな
羽毛であれば問題ありません。
僕の中では大体3つくらいの区分けがありまして
①側生地が綿100%であること
②ダックよりもグース
③グースよりもマザーグース
側生地がポリエステル混の羽毛ふとんを買うので
あれば僕は職人さんが仕立てた綿の掛けふとんを
使う方が良いです。(ただし、質の良いもの)
ダックよりもグースというのは鳥の大きさが
大分、異なります。鳥体が大きいグースの方が
大きくシッカリとしたダウンです。そして
臭いがありません。
マザーグースは卵を産むための親鳥ですので
飼育期間が長く凄く羽毛の粒が大きくシッカリと
してきます。大きくなる分充填量が少なく
すみますのでふとんが軽く仕立てられます。
えびすやでマザーグースを使った羽毛ふとんの
定番品が106,000円~です。サンプルを見て頂くと
全然違うのが解ります。
さて、このお客様とお話しのなかで
出てきた会話です。
『羽毛タッチのふとんってダメなんですか?』
池上彰さん風に言うと『いい質問ですね~!』
羽毛価格が高騰しだしてこういう製品をよく
見掛ける様になりました。えびすやにも業者さんが
持ってこられました。大体の製品に言える事
ですがカタログを見ると保温性にはこだわってる
様に見受けられますが寝具にとって重要な要素
『吸湿発散性』
に関してはスルーです。これスルーしちゃだめ
なんですね。単に保温性があって暖かいだけ
ならば蒸れるのです。寝てる時に発汗してる
ですから…。羽毛ふとんの側生地にポリエステルを
使うのが好ましくない理由と同じです。
こういう製品は側地も中綿もほぼポリエステル。
蒸れるという事は寝床内に水分が残留してる
という事です。この水分が今度は身体の熱を
奪い始めます。こういった事からえびすやでは
この様な製品をおススメしていません。
えびすやの得意な仕事
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