FMたんごでお話した羽毛ふとんについての解説
今朝の再放送が終わりました。
お聞きくださいました方、有難うございます。
ラジオでお話した事の解説+お話できなかった事を
こちらで書いてみたいと思います。
羽毛ふとんのお手入れについてです。
これは特に羽毛ふとんに限った話ではありません。
全ての寝具に共通していえる事ですが
『湿気をどう扱うのか?』
という事です。特にこれから結露を
起こしやすい時期ですし、丹後は湿度の高い地域。
湿気との付き合い方を考えなくてはなりません。
まずは保管方法。この間にふとんをダメにして
しまっているケースがありますのでラジオで
お話した事をまとめますと
①布団圧縮袋には収納しない。
これは2つの危険性があります。
圧縮すると元に戻らなくなるからです。
それと、収納前の乾燥が甘くて
水分が残っていると結露を起こし
カビを生やしたりかび臭くなることがあります。
それはナイロン袋で密封してしまうので
通気性が無い事が問題です。
②出来るだけ湿度の低い場所で保管
家の中で出来るだけ湿度の低い場所で
保管しましょう。理想の場所は二階の
南向きにある押し入れです。
③収納は通気性のあるもの
衣類をクリーニング出した後
ナイロン袋に入って帰ってきますよね。
これは良くないと言われています。
通気性が無いからです。羽毛ふとんも
同じで元々付属している不織布の収納バックや
使わなくなった古シーツがおススメです。
えびすやでは全ての羽毛ふとんではありませんが
柿渋染めの特大巾着収納袋をお付けしています。
柿渋染のは自然の抗菌作用があります。
普段のお手入れについて
羽毛ふとんは大半のメーカーさんが
『陰干しで風通しのよい所に干しす』事を推奨し
ています。これは日干しすると紫外線により
生地が劣化し羽毛吹き出しの原因になりかね
ないからです。
ところが…。意に反して日干しをジャンジャン
やっている羽毛ふとんの方が羽毛の状態が
良いのです。それは湿気がシッカリと抜けている
からです。湿気がそれだけダメージを与えて
いるという事です。
同じ時に同じ羽毛ふとんを購入して
同じ様な環境で同じ様な使い方をして
だお手入れが日干しと陰干しだった場合
日干しの方が状態が良いのです。
でも日干しをすると生地が傷むのでは?
と当然思われると思いますがそれは
カバーを掛けたまま干す事で簡単に防げます。
次に羽毛ふとんのクリーニングについて
(僕が手洗いした羽毛ふとん。自分で洗うに当たっては注意が必要です)
羽毛ふとんは理屈で考えると
水鳥の胸毛ですから水に濡れる事は何ら問題は
ありません。しかし、洗い方を間違えるとダメです。
最近は自分でコインランドリーで洗われる方が
多いですがその反面、失敗している方も多いです。
キルトを仕切るマチを破ったり、洗剤を間違えたり
乾燥し過ぎたり…。プロの業者さんは手順を踏んで
洗っておられます。安易な自身でする洗濯よりも
プロに任せた方が良いと思います。
羽毛ふとんは洗濯をしない劣化と
洗濯に伴う劣化があります。例えば前者は汚れによって
羽毛同士が絡んでいき、そして壊れてしまう事。
後者は洗う事でカサ減りや羽毛同士の絡みが酷く
なる事。羽毛の劣化が進むとこういう事があります。
あと何処の業者さんにお願いするかもかなり大事です。
(👆かなり重要だと思います)
これは一つの目安に過ぎませんが例えばい劣化が
進んでいないが汚れが気になるくらいの5~6年くらいで
10年くらいで羽毛のリフレッシュするのが良いかと
思います。どちらも劣化が進む前に先に手立てをすると
長く良い状態で使えます。
昨今、食生活の変化により羽毛の元となる水鳥の
飼育数が減ってきています。(羽毛は副産物です)
それに伴い、価格もジワリジワリと上昇しています。
当然、羽毛ふとんの価格も上昇しています。これは
一時的に横ばいだったり、若干下がる事が
あったとしても長期的視点でみれば価格があがる
事は避けられないでしょう。
だから、質の良い羽毛ふとんを使い、お手入れを
キッチリすれば長持ちします。そして羽毛の膨らみが
弱まってくる10年くらいを目途に羽毛ふとんのリフレッシュを
する事により羽毛がふっくらと回復し、側地も
新品になります。これは新しいものを買うよりも断然
安く出来ますし、質の良い・状態の良い羽毛であれば
羽毛ふとんのリフレッシュに掛かる費用と同じ価格で
新しい羽毛ふとんを買うよりも内容が全然良いです。
出来れば、少々高いと感じても良いものを
買った方が長く、快適に使う事が出来るので
長い目で見るとこちらの方が結果、得なんです。
えびすやの得意な仕事
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